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Small treasure


家路 長町武家屋敷跡
Small treasure シリーズで、金沢の色々な場所を描いていた時に、候補に挙がって来たのが、この長町武家屋敷跡。用水が流れている閑静な長町自体の雰囲気が好きなので、兎に角、行ってみることにした。勿論、前にも何度か来た事がある。絵を描く上で、自分の中でピンと来るものを探しに来たのだった。 長町武家屋敷跡は、加賀藩の中級武士達が住んでいた豪壮な屋敷跡で、昔ながらの土塀や石畳の小路が、今でも残る金沢の名所の一つである。まるで、江戸時代に居る様な、と言う表現がしばしば使用されるのだが、厳密に言えば、江戸時代も今も変わらず存在している空間と言うのが、正しいだろう。つまり、空間自体は、時に左右されず、存在している。そんな空間を捉えたいと思った。 長町武家屋敷跡は、金沢の繁華街である香林坊の大通りから、一歩入った路地裏を歩いて10分位の所にある。江戸時代には、武士達が馬に跨り、金沢城に出向いたのだろうが、路地の幅が丁度それ位なのだ。その端に用水が流れている。秋の夕暮れ時だった。一人の女の子が、大きなランドセルを担ぎ、石畳の小路を歩いている。結構遅くまで

Kiyoshi
1月22日


満開の桜
大雪がやって来ると言う。1月下旬の早朝、外に出て見ると、ゴーっと唸る風の音がして、粉雪が空中を舞っていた。まるで桜吹雪の様に。 「最近は、雪が降っても、昔みたいに、そんなに積もらないですよね」 僕は、同世代と思われるタクシーの運転手さんに話し掛ける。 「ほやね。今じゃ、昔みたいに、屋根の雪下ろしも、せんでも良いしね」 運転手さんが思っている昔とは、僕と同じ様に、昭和時代の子供の頃迄、遡っているに違いない。除雪車も道路の融雪装置もなかった時代。金沢の街には雪が降り積もり、山の上を歩く様に、道路を歩いた。 蝉が、ミンミン鳴いていた。子供だった僕は、市営グランドの木漏れ日が落ちてくる林の中、昆虫の王国に居た。錘を先端に付けた紙飛行機が、風に揺れる原っぱをバッタと一緒に飛んでいたのは、秋だったんだろうか? 僕の中に、その頃の空間が、鮮やかに蘇ってくる。 そして、春。不思議な事に、僕の中には、子供の頃の春の空間が無い。 思い出せないでいる。有るのは、大人になってからの春の空間だ。それも、絵を再び描き出すようになった、ここ数年の。 唐突だけれど、絵の本質は、

Kiyoshi
1月20日


Small treasure
ハワイから、日本に帰って来て、ほぼ20年近くになる。両親を看取って暫くして、15年振りに絵を描きだしたのである。ハワイで絵を描いていた時には、大きなカンバスやフランス製のアルシュの水彩画用紙が主体で、このSmall treasureの様に、16センチ × 23センチの小さなサイズの紙に描く事は、殆ど無かったのである。 金沢市の幸町にある「かわさき画材」で、オリオン社のシリウスと言う小さなスケッチブックをたまたま見つけ、買ったのが始まりだ。それに色々な絵を描き出したのだけれど、クレヨンの絵を描いてみようと探していたところ、フランスにあるセヌリエ社のオイルパステルに出会った。セヌリエ社は、純粋な原料を使用し、マチスやセザンヌなどの印象派の画家達に愛用された画材を丹念に作り続けたメーカーだ。 オイルパステルは、ピカソが、自由に、そして油絵が手軽に、どんな物にも描ける画材として、セヌリエ社と共同開発したもので、それは、溶け掛かったチョコレートの様に柔らかく、驚くべき色彩を魅せたのである。 それで最初に描いたのが、犀川の絵で、続いて浅野川、そして、少女の絵

Kiyoshi
1月19日
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