家路 長町武家屋敷跡
- Kiyoshi

- 1月22日
- 読了時間: 2分
更新日:1月25日
Small treasureシリーズで、金沢の色々な場所を描いていた時に、候補に挙がって来たのが、この長町武家屋敷跡。用水が流れている閑静な長町自体の雰囲気が好きなので、兎に角、行ってみることにした。勿論、前にも何度か来た事がある。絵を描く上で、自分の中でピンと来るものを探しに来たのだった。
長町武家屋敷跡は、加賀藩の中級武士達が住んでいた豪壮な屋敷跡で、昔ながらの土塀や石畳の小路が、今でも残る金沢の名所の一つである。まるで、江戸時代に居る様な、と言う表現がしばしば使用されるのだが、厳密に言えば、江戸時代も今も変わらず存在している空間と言うのが、正しいだろう。つまり、空間自体は、時に左右されず、存在している。そんな空間を捉えたいと思った。
長町武家屋敷跡は、金沢の繁華街である香林坊の大通りから、一歩入った路地裏を歩いて10分位の所にある。江戸時代には、武士達が馬に跨り、金沢城に出向いたのだろうが、路地の幅が丁度それ位なのだ。その端に用水が流れている。秋の夕暮れ時だった。一人の女の子が、大きなランドセルを担ぎ、石畳の小路を歩いている。結構遅くまで学校に居たのだろかと思っていると、小路の途中から、自転車を引いて歩いて来る女性が現れた。その女の子が、嬉しそうに話し掛けているのを見て、親子なのだと気づく。その光景を絵に描いた。
僕は、ふと、母親と女の子は、二人で暮らしているのだなと思った。そんな雰囲気を感じさせる後ろ姿だったからだ。木々の上に広がる空の下に現代の空間が広がり、彼女達の帰っていく家がある。そして、江戸時代の空間を持ち帰った静かな食卓で、二人は幸せな食事をするだろう。
川崎貴代美氏によるフレーミングが秀逸だ。白木の額縁に、淡い緑のマット。二枚のマットの間に段差を作り、空間に深みを与えている。





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